ルータービットを使った作り方
ルータービットでノミの柄を作る
ルータービットで作るなんて、今までも思いもしなかったものを、BTMTで作ります。
今回のお題は、ノミの柄。
知人からもらった 6 本組のノミ 。
柄の部分が、ペンキのような色付きの塗料で塗られていてちょっと気に入らなかったので、
自分好みの材料で作ることにしました。
丸面ビットを使って丸棒を作る方法は、これまでもご紹介してきましたが、
均一な太さの丸棒を仕上げる方法として便利です。
欠点は、丸棒の両端を、たとえばテーパー状に細くするといったことができませんでした。
今回は、ルーターテーブルに自作ジグを追加して、このテーマに挑戦していきます。
1.ジグを作る
丸棒の両端をテーパーに削るための、自作ジグのテストをしました。
まず、ルータービットの選定。
テーパー部分の長さは、ルータービット(ストレートビット)の刃長に依存します。
トリマーにも取り付けられる6mm 軸ビットの場合、30mm までが目安です。
テーパー部分をもっと長くしたいと考えると、
12mm 軸のビットが取り付けられるルーターを使用することになります。
そこで、一般的なルーターテーブルに普通にセットしたルーターとフェンスを使用し、
ありあわせの材料でそれが可能なのかをテストしてみました。
結果は行けそう!
刃長の長いBTMTルータービット「B14-04 刃径12mmロングサイズのストレートビット(プランジ刃付き) 12mm軸(刃長60mm)」をルーターテーブルにセット。
B14-04のストレートビットを最大限に突き出すとなかなかの迫力です!
安全のため、なるべくビットをカバーできるようなかたちのガイドにすることにしました。
ガイドのしくみは、
・ルーターテーブルのフェンスに頑丈なアルミニウム製のアングル材をしっかりと固定。
・そこに、木製のガイドをクランプで固定。
木製のガイドには、ノミの柄の直径30mmの穴をあけました。
穴は垂直にあけています。
テーパー加工したい時は、その勾配に応じた角度の「シム」を木で作り、
アルミアングル材とガイドの間に差し込むことで、ビットに対してガイドが斜めに固定できるようになっています。
切削量の調整は、ルーターテーブルのフェンスを前後に移動しておこないます。
確認しやすいように、フェンスの後ろ側にダイヤルゲージを取り付けました。
2.ノミの柄に、金具をつけるための段欠き加工
まずは、直角の段欠きから。
「冠(かつら)」や「口金」をつけるための段欠き加工をおこないます。
写真は柄の先端に「冠」を取り付けるための段欠きです。
動画でご覧ください(音量にご注意ください!)
材料をゆっくりと慎重に右回り(クライムカット)にガイドに挿入し、
数回に分けて少しずつ目的の径に削ります。
(動画ではスイスイ削っていますが、切削量はわずかです)
直角の段欠きなのでシムは用いません。
クライムカットは上級者テクニックで、切削面がよりきれいに削れます。
ただし、ビットの回転方向と同じ方向に材料を送ることになるので、
1回の切削量を少なくするのがポイントです。
柄の反対側にはノミの刃を差し込む穴を、あらかじめボール盤であけておきました。
「冠」や「口金」は、もとのノミに取り付けられていたものを磨き直して使います。
段欠きの加工には、刃長30mm のBTMTルータービット「B13-03 刃径12mmストレートビット(プランジ刃付き) 6mm軸」を使用しました。
3.ノミの柄を、テーパー状に加工する
ノミの柄を、まるで木工旋盤で挽いたかのようなテーパー状に加工します。
「冠」や「口金」を取り付ける段欠きを加工したあと、
今度は自作ジグに、クサビ状のシムを挟んで77度の角度にセットしました。
動画は、この状態でノミの柄の尻尾側(「冠」側)をテーパーに削ったところです。
刃を差し込む「口金」側は、85度の傾斜のついたシムを使いました。
4.仕上げ
ノミの柄は、ていねいにペーパーで仕上げてから、オイル塗装。
ノミのシース(鞘)も、革を編んで新調しました。
【使用したビット】
https://www.btmt.jp/SHOP/B13-03.html
https://www.btmt.jp/SHOP/B14-04.html
ちなみに、この鎌の柄は、ジグがうまく使えるかテストした時に加工した
タモ材を活用したものです。